だいたい難破中

弱いものがさらに弱いものを叩き一番弱いものが死ぬ世界

日本全国思し召し大会

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戦争に関する本をいくつか読んで、面白かったのが、アメリカと戦争を始めた本当の理由。

 

『日本はクソ弱いけど、海軍は何十年もアメリカを仮想敵国として毎年、一生懸命軍備拡張(予算を獲得し続けて使い続けた)から、いざ真顔で「海軍ってアメリカとやれんのか?」ってガチトークになったときに、面子からやれないとは言えなかった』

 

これは随分腑に落ちました。

 

たしかに、陸軍と予算奪い合って軍備拡張し続けたんだから、いざというときにやれないなんて言うと、陸軍にディスられるし、もちろん陸軍にしても、そもそも戦う準備を整えてきたんだから、いざというときにできないなんていうと、海軍からディスられるから、言えなかった。

 

あの、総力戦研究所で、全然アメリカに勝てないけど気合いで勝てるから勝てることにしとけ! 2+2=80だ! みたいなクソ体質も、結局、「これまで死ぬほどお金使いまくったんだから、いざというときにできないなんて言えない」という、そういうくっそくだらないバックボーンがあるわけですよ。

 

本当にくだらない、その程度の理由で(もちろん、これだけが理由ではありませんが)、300万人以上の国民が命を落としたわけです。

 

もしもけっこう偉い誰かが、「いやいや、そら一応建前上、仮想敵国アメリカでがんばってきたけど、アメリカとかぜってー無理だからwwww 勝てるはずねーだろwww」みたいに公の場で言ったとしても、そこら辺の血気盛んな青年将校に無事斬り殺されるだけでしょう。

 

熟成された暴走、っていうのは、誰かが止められるものではないのです。

 

本当にボコボコにされ尽くされて、原爆二発落とされて、まだまだピカドンあるよ? ジャップって原爆ドームを一個ずつ各都道府県に作りたいの? 的な雰囲気匂わされて、ソ連が急遽攻め込んできて、いやもうこれ無理中の無理っしょ、みたいにならないと、戦争は止まらなかったわけです。

 

たとえ天皇が、昭和18年に「全然無理じゃん! 勝てるはずないじゃん! お前ら頭冷やせよ!」なんて言ったとしても、止まるはずがないのです。

 

それが当時の、日本国民と、メディアと、軍部と、そして天皇の思し召しなのです。